ところがこの前作「チェンジ・オブ・シーズン」でフォーク・ロック路線へとすすむ。彼らの10代の音楽であるソウルの黒っぽさを排除し、白っぽい音楽へ、彼らがデュオを組んだ頃の音楽へと回帰しているかのようだった。
しかし、その頃から活動を制限したこともあり、7年ぶりのデュオ新作となった。
その間にチャートはブラックへ、ラップへ、より黒くなり80年代のメロディアスなロック・ポップは姿を消していた。
それも踏まえてか、オープニングチューンは懐かしの雰囲気を持たせているが、いかんせん時が経ちすぎてしまった。10年前だったらヒットした曲だったはずだ。全米ヒットからは見放された形のアルバムとなったが、逆にそれが悔しかったのか彼らは活動を再開。このあとはまた、「ギターロック」というヒットチャートとは無縁の音楽へと進んでいく。
「変わり続ける」を標榜していた彼らの1つの分岐点。しかし、このアルバムには80年代のファンも、これから彼らを知る若いファンも、どこか違和感を感じる内容となったことは否めない。今後に期待したい。