確かに充実した内容で，丁寧につくられた本だと思います。
しかし，「はじめての」というコンセプトからは外れてしまったようです。
私が持つイタリアンのイメージ「手軽さ」からちょっと遠いのです。
例えば食材「すずきのソテー魚介類のソース」
　すずき，ムール貝，あさり，むきえび，ほたて，魚のブイヨン，トマトソース，バジルの葉，イタリアンパセリ…　といった感じ。
これを全て揃えるなら相当な出費です（笑）。
全てがこうではありませんが，著者ご自身のレシピをもっと家庭向けにアレンジする必要があるのではないでしょうか。

"はじめての"という形容詞がついていますが、イタリア料理初級の人はもちろん、「イタリア料理はよく作るけれど、ちょっとしたヒントが欲しい」という中級レベルの人も十分に楽しめる充実の1冊です。

自家製パスタが美味しい日本橋箱崎町（東京）の『デニーロ』というレストランで、ランチを楽しんでいたときに目に止まったのが、店内の棚に並んだこの本でした。そのお店のシェフをされている竹浪さんが監修された本だったのです。ページをめくる度に、色鮮やかなイタリア料理の写真が満載で、一目惚れでした。

私が一番気に入ったところは、食材の説明のところです。チーズ・パスタ・ハーブの種類、調味料、野菜、肉類、魚介類全て写真入りで、下ごしらえが必要なものは、その過程も写真に収められています。特に魚介類は、『日本でも見られるイタリアの魚介』が紹介されており、簡単に手に入る食材で作れるイタリア料理をもっと身近に感じることができました。

本書に従い、自家製ハーブで初めてハーブオイルを作ってみたところ、視覚・味覚を楽しませてくれるイタリア料理に、ほのかなハーブの香りも加わって、見事な食のハーモニーを演出してくれます。ハーブを育てている人も多くなってきましたね。そのまま使うだけでなく、ハーブオイルやハーブビネガーを作ってみてはいかがですか？この本は、イタリア料理の基礎だけでなく、色々なバリエーションも教えてくれます。