「ほんわか」がピッタリと来る作品
★★★☆☆
女性スポーツ記者 小林千穂さんが南極観測隊に同行した121日間の記録。
全体的に文章は、とても読みやすくて面白く観測隊の活動を身近に感じることが出来るようになる作品です。
隊員の皆さんが専門外の事にも、多大な好奇心を持って臨む姿は、とても楽しそうで、ほんわかという言葉がぴったりと嵌る作品です。
これだけしか読まなかったら、観測隊って「食べて、遊んでる」としか思わないかも(?)知れません。それくらい楽しそうです。
ただこの本の問題点は、同時制の別の文章(ブログに掲載したものと、後から加筆したもの)が上下2段で組んであるので、上の文章で数ページ進むと、今度は下の文章を読むために戻らないといけないこと。
少し読み難いです。
あと、ブログ掲載文書には「こんな写真をアップしました」となっているのに、本書ではその写真がカットされていることです。
この部分が非常にストレスたまるって事で、内容的に4つ星ですが、1つ減らしました。
サイド的なネタがいっぱい
★★★★☆
一般紙記者なら淡々と状況報告をするだけでもOkだろうが、
専門メディアであるスポーツ紙記者の南極同行取材だけに、
直球よりも変化球で勝負する内容にならざるを得ない。
隊員の表情や性格、そして厳しい任地での暮らしぶりを
やわらかく書くためには、各人の業務内容や仕事への姿勢を
理解しないと書けない。
そんな条件でも今作品は、記者自身のキャラを出しながら、
厳しいON(業務中)を感じさせるOFF(業務外)の表情を
上手に描いている。
日本が誇る科学技術を支える人たちの素顔が見える作品の
ひとつです…は書きすぎかな?。
不肖・宮島氏の南極関連本と合わせて読むと、
尚分かりやすいです。
ほのぼの南極紀行
★★★★★
研究者以外の方が綴った一風変わった南極紀行記です。普通の人でも南極に行けると
思わせるようなほのぼのとした文章がいい味を出してます。
どこか浮世離れしているようなイメージがある研究者たちの、意外にお茶目な一面が
覗けたり、ありそうでない基地での生活の描写など、遠い遠い南極をとても身近に感じる
暖かみにあふれた一冊です。
イラストで描かれた昭和基地も良いですね。基地にバーまであるとは知りませんでした。
なんだかとても楽しそう・・・。
余談ですが、隊員の方が趣味で制作されたという南極版「地球の歩き方」がもの凄く気に
なります。表紙が本当にプロ並みの出来なので、本屋さんにあったら手に取りたいくらいです。
どこかで売ってほしいですネ。
あったかい南極便りです。
★★★★☆
今まで南極隊同行の書籍は数多く読みました。
その中で、本書は南極隊同行記を至ってマイルドに、さらっと書かれていますが、隊員たち一人ひとりの姿をリポートしたところは感じが伝わりうまく描写できたようですね。
121日を南極隊に同行し日々の変化をリポートをしていた著者は、その記事やブログ、それに本書では語りつくせない苦労や辛いことはたくさんあったのではないかと察します。
けれど、そういったところをあまり見せず、元気いっぱいで取材を敢行していた様子が伺われ、ずいぶん微笑ましく思います。
好感のあるほのぼのとした取材日誌に仕上がっています。
イメージが変わった!
★★★★★
今まで持っていた「南極」のイメージを変える本です。
南極観測隊ってこんな生活してるんだ、と興味深く読みました。
イラストがいっぱいで読みやすいし、文章の雰囲気もいい。
南極というか観測隊に参加したくなります。