スペースオペラ
★★★★☆
正統的スペースオペラ。強烈にエゴセントリックな主人公(夜の大海の中でのナイジェルを思わせる)が、人命を顧みず異星人の遺跡の発掘を行う冒頭から、苦笑するとともに引き込まれてしまう。全体の雰囲気は、どことなく一歩引いた叙述がポール・アンダースンを思い起こさせる。前半部はキャラクタービルディングに不安が感じられなくもないが、長い小説の中で、徐々に人間味が与えられる。アイデアは豊富で、小説の作りとしても破綻がなく、一部を除いて長さを感じさせない作品である。手抜きのない、きちんとしたハードスペースオペラをお望みの方にお勧めです。