ただ経営学なので、実務への応用は、やはり本人の工夫次第だろう。
購入時は期待せずに買ったのだが内容は濃い
少なくとも巷に溢れ返っている系統では感じない、質を感じた
買っておいて良かったと思う
内容的にも洗練されていて面白いです。各研究者の業績(理論)を紹介し、それに批判を加えると同時に、客観的で依怙贔屓のない有用性も含めた著者の見解をもってまとめる(結論づける)というスタイルで全体が構成されています。著者もコンサルタントですから、事例も多く紹介しながらツボを得た解説をしています。
それと、面白いのは、採り上げられている原書(和訳も含め)などを読んでいても決して知ることができないエピソードや関連情報がいくつか紹介されているということです。これは、著者が、紹介している研究者たちと同業者であるが故でしょう。しかしこの点でも、決して公正さを失ってはいません。
またこの著書の魅力は、引用文献の豊富さです。もちろん、巻末にリストとして、丁寧に掲載されています。
まず、著者のスタンスが明確である。著者がしっかり考え方を咀嚼した上で自分のスタンスで記述を進めている。
しかし、最も読者にとってのメリットは、たとえば「リーダーシップ論」なら色々な学者が色々な説を発表しているがそれらを比較検討できること、みんなが表現を変えて言ってることは何で、独自の主張は何かと言ったことが分かりやすい。その中で、興味を持ったものについて、まだ読んでない本であればそれをじっくり読んでみればいい。そういった使い方ができる。
ページ数は多いのだけれど、内容もおもしろいし、図表を駆使して読みやすい工夫もされているので一通り目を通すのはそう大変ではない。
「ハウツー」モンは、所詮それだけのもの。そう思って手に取ったのだけれど、本書はハウツーものではなかった。