『1999』と『パープル・レイン』の世界的ヒットにより、セールス的にも超ビッグアーティストとなったプリンスが、その地位に満足することなく放った、その天才ぶりが遺憾なく発揮された大傑作アルバム。
一日世界一周のイメージどおり、一聴した分にはこれまでのファンク路線と異なるポップな印象が残るが、よくよく聴いてみると1980年代的サイケな音色処理はかなり独特のもの。<2><4><7>のようなカラフルな人気曲ほど彼の孤独のようなものが感じられるような気もしてしまったり。プリンス・ファンクの典型のような<6>も痛快。(麻路 稔)
アラウンド・ザ・プリンス・ワールド
★★★★★
このアルバムはプリンスのユニークな世界をグルっと巡る冒険に満ちている。
不思議なリズム。
印象的なストリングス。
時に軽く、時に情緒的なボーカル。
充分に商業的なメロディー。
全体を貫く独自の音世界。
時に偏屈で押し付けがましいが印象的な歌詞。
彼にしか出せないサウンドを奏でるギター。
録音も不思議。
どういうわけか、可聴範囲の全ての周波数が全編を通してほぼ均一に鳴っている。
厚い音です。
ハイライトは"Pop Life"。
人生いろいろ思い通りにならないことが多いけど、
楽しまなくちゃ、良い人生にはならないよ。
ポップに生きようよ。
そうプリンスは言っています。
長くファンをやってますが、ベストソングのひとつです。
目を閉じて、密室でプリンスと2人でいると思って聴いてみてください。
プリンスがあなたに「聴いてみて」と言っています。
ジワッときます。
プリンスのアルバムで一番好きです
★★★★★
高校時代にカセットテープを購入して、テーブが延びきるまで
聞きました。
今回、久々に聞きたくなってCDを購入しました。
やっぱり最高です!
プリンスのアルバムの中でもこれはかなり中毒性が高いです。
作品全体に漂う哀愁というか気だるさというかなんだか不思議な
感覚に包まれる音色が魅力です。
中でも「Condition of the Heart」はバラードの名作中の名作だと思います。
どうしたらこんな美しい曲が作れるのでしょう?
この1曲のためだけにでも購入して損はないと思います。
こいつはいい
★★★★★
コレはいいと思います。全体の雰囲気が、名アルバム的な感じがすると僕は思います。
プリンスの中でもかなりいい出来じゃないんでしょうか…
音楽マニアならコレは持っとかなければいけません(笑)
ドンパ!ドンパ!の2拍子FUNK!
★★★★★
「PURPLE RAIN」がグラムなら今作はサイケ。
前作がサービスいっぱい、これでもかのアルバムだったのに対し今作は内省的で偏執的。
ものすごくいびつなサウンド、意味深な歌詞、そこにprinceの表情溢れるボーカル。
それがどうにも心をとらえて離さない。
ウェンディたちの女子コーラスも可愛くフィット。
ドラムの音が気になる?
大丈夫、10回も聴けば慣れてしまうので。
「Around the World in a Day」
中近東風のメロディから始まり「目を開いて/心を開いて」と
PRINCEが唄い出す。
ほんとに変な曲で曲中鳴ってる笛?のような音が
合っているのかいないのか、居心地の悪さが妙に快感。
中間にグルーブするところがかっこいい。
「Paisley Park」はリズムのずれた?キーボードが奇妙な眠気を誘う。
今作でPRINCEは新たな共同体を創作しようと試みる。その代表的な曲。
とにかく楽しい曲で愉快でさえある。
「Condition of the Heart」ながーいイントロに導かれて出てくる美しいメロディー。
アレンジが少々大袈裟だけどそれえを補ってあまりある歌。
特に5分10秒以降の唄は誠実で本当に素晴らしい。
ここを聴くだけでもこのアルバムを聴く価値あり。
「Raspberry Beret」このアルバムの特徴はストリングスや管楽器の多用。
この曲はその最たるケース。
曲もポップでいいぞ。
第一弾シングルでした。全米2位。
アメリカ人も分かってるじゃないか。
「Tamborine」タイトル通りドラムとシンセベースとボーカルと
タンバリンだけの曲。それで十分完成してるところが凄い。
雑誌で見た女の子に恋してタンバリンを
叩きまくるという唄。
へんてこさがたまらない。
「America」唯一バンドっぽいサウンドの曲。
revolutionのかっこいい演奏にアメリカ讃歌とも取れる歌詞。
ギターがいいな。いいな。
チョッピリ未完成な感じを残す。
「Pop Life」
「君の人生に何があったの?」と歌い出す。
ちょっとボブ・ディランを思わせる(僕だけか?)
よく出来た曲でサビは一緒に唄いたくなる。
個人的にはアルバムのNo1.
花が咲いたような曲。
「The Ladder」はサイケなゴスペルといったところ。
壮麗なストリングスに導かれて語り始めるprince
女子コーラスも冴えて盛り上がるがフェィドアウトが早すぎる!
あと5分は持つのにな。。。
「Temptation」は狂乱のブルース。
サックスも決まってギターも暴れる。
エンデイングでは「SEXより愛が大事」と何を今更!。
ほとんどのボタンを掛け違えてしまったが、よく見ればかっこ良く見える。
こんな着方があってもいいんじゃないか?といったアルバム。
princeが一番素直だったアルバムなのかも。
現行のCDは音が良くない。うすっぺらいのだ。
リマスターを強く望みます。
このアルバムからprinceはものすごいことになって行く。
音楽的に不毛といわれた80年代、僕らにはprinceがいた。
たった一人で時代の音を作っていった。
そんな彼の輝かしい一枚。
今でも十分輝いていると思う。
ペイズリパークはじめました。
★★★★★
シーケンサ・ファンクで肌の色に関わらず多大な支持を得たプリンス(以下P)はコマーシャルリスクを犯してまでリスナーの篩い落としにかかります。
「ノン・ドラッグでの平和絵巻」あまりの路線変更に当時の私は軽い目眩を覚えました。しかし楽曲はどこまでも美しく素晴らしいので説得力がありました。
3の繊細さなどマスプロの作品では稀有なものだと思います。5のファンクは緻密な上にリズム・ボーカル仕掛けが一杯で本当のPが顔をみせる曲です。
皮肉と暗喩てんこもりの6 ドライな視点だけど的確な7 前作のハイエナジー・ロックは姿を消しお花畑に塗れてファンク・ゴスペルが隠し味以上の働きです。
後から知って驚いたのは前作と同時に録音していた事です。つまり最初から既定のフラワーイベントだった訳です。(Pは成功をちゃんと予定していた。驚き)