単純化装置としての論理を、単純に身につけられる
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著者は本の中で、「論理的思考とは、難しいことがらを『単純化すること』なのです」と書いている。まさにそのとおりだと思う。ところが、ちまたにあふれる論理関連の本はどれを読んでもその逆に見える。つまり、「論理的思考は複雑化するためにある」ように見える。その点この本は、単純化の道具である論理的思考力というものの本質をよくとらえている。
しかも、その単純化装置としての論理的思考力を、きわめて単純に身につけることができる。とにかく、安心感が違う。理解度が心配になって読み返す必要がない。どんどん読み進められる。著者が書いているが、ほんとに「レンガを積み上げていく」ような安定感がある。
論理と言えば「論理エンジン」が思い浮かぶが、分かりやすさにかけて、あれの比ではない。論理エンジンも画期的教材ではあるが、まだまだ複雑だ。内容が細かすぎる。あるレビューには「論理エンジンのように体系化されていない」などと書かれているが、おかしな話だ。細分化された全体のイメージに目がくらんで、それを「体系化されてるなあ」と思い込んでいるだけなのではないだろうか。
まあ論理エンジンは論理エンジンでいい。それが画期的教材であることに間違いはない。本質的には同じことを言いたいんだろうと思う。が、画期的という点において、この本の方が一枚上手だ。
一読の価値あり
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読んでいて、とても面白く、なるほど、と感心しました。是非、小学四年生の国語の苦手なわが子に試してみたい、と思いました。私は他に早川尚子さんの「中学受験 お母さんが教える国語」、出口 汪さんの「論理エンジン」も一緒に読んで試しています。
それぞれの本に共通する面もあるので、それぞれいいところ取りしながら国語力アップに励みたい、と思いました。
福嶋隆史さんのこの本、本当に読んでおいてよかった、と思いましたし、自分が学生時代に出会っておきたかったなと思いました。
抽象的かつ希薄な内容
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中学受験生を指導する立場にあるため、この手の本に目を通す機会が多いが、その中でも極めて希薄な内容に愕然とした。
まず前半は著者の過去の略歴、経験を自慢げに長々と紹介している。後半から『言いかえる力』『くらべる力』『たどる力』に触れ、
論理の大切さへと結びつけているが、あまりにも抽象的すぎて著者の意図するところが全く伝わってこない。
論理と言及されると、論理エンジンとつい比較してしまうが、論理エンジンのような明確な体系化が全く示されていない。
過去のレビューアが高く評価したため購読したが、そこまで評価される理由が全く見あたらない。
著者と親しい人が好意的にレビューを寄せたのでは?とさえ疑ってしまう。著者の手法が実践的にどのように用いられるか、
少なくとも同書にはいくつかの長文問題を例に示す必要があっただろう。
問題集が先日発売されたが、あまりにも抽象的な概念だけに言及した同書が改善されない限り無意味であると思われる。
いままでと違います
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この本はタイトルどおり、まさに国語力がついていく感じですね。
大人が読んで理解して子供に教えましょう、という教育指導書?的な感じです。
ですが、読んだ大人がびっくり! 今まで国語力がないのは私だったのかも〜っ。
と思わせられる内容です。コレを読んだら、他の国語読解力の本なんて読めません。(読めるけど)
他の本は小手先やすでに出来ている人を対象にした本ばかりで、子供は興味なさそうだし、理解させるなんて厳しい感じでした。
しかしこの本は違います。小学生が根底から国語力をつける事が出来るし、やる気も出てきて自分から勉強してくれるようになりました。ただし、大人が教えることが前提ですけどね。
最近は国語もですけど、算数の文書問題も解けるようになってきました。
実用的な本!
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役に立つ本ってこういう本のことを言うんだ、と実感。ツイッター上で福嶋先生をフォローしているが、つぶやきのひとこと毎に気付きがある。読解力=国語力ではなく、論理的思考力こそ国語力だ、「試合」ばかりやらせず「パスやシュートやドリブル」の練習をさせよ、という主張には目からウロコだった。この本のはじめに「かゆいところに手がとどく」とあるのは本当だった。