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情念戦争

価格: ¥900
カテゴリ: 単行本
ブランド: 集英社インターナショナル
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情念あり、ゆえに我あり ★★★★★
ミシュレの『フランス革命』そして、本書、さらに同じくムッシュ・カシマの『怪帝ナポレオン三世』を読めば一連のヨーロッパ近代の動きがわかる。できれば難解極めるマルクスの『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』も併せて読みたい。マルクスのは、勿論ナポレオン三世にまつわる。

それはともかく、ナポレオン、タレーラン、フーシェをそれぞれの情念タイプに整理し、その錯綜たる歴史の綾を頗る付きの活動履歴として描く著者の力量は凄い。昨年出た『ドーダの近代史』も面白かったが、歴史の動きをミクロとマクロで捉えるという点で『情念戦争』は抜群だ。本書を読んでからというもの、それまでの無知蒙昧、歴史のレの字にも興味のなかった御仁がいっぱしの歴史オタク、西洋史のみならず近現代世界史の雑学王になったという事例もあるとか・・・。
『ナポレオン三世』については、旧吉本派とも言うべきムッシュの面目躍如?なのかもしれない。「アホで間抜けなナポレオン三世」というマルクスの「決めつけ」と後代の評価を覆すカシマ節全開だ。これは社民主義的な発想による評価であろうが、本書については判断を留保したい。例えば、ナチスドイツはユダヤ人以外のドイツ人のための公衆衛生、今日の健康増進法にあたるような政策を推進したというではないか。労基法だって整備したのではないか。
面白いの何の!!!最高! ★★★★★
これは文句なく面白い一冊。学校の世界史程度の知識があれば、誰でも十分楽しめ、読み終わったころにはナポレオンの時代のフランスについて、結構な知識を得ることができる。それどころか、歴史、政治、そして人間というもののあり方について、考えさせられる。「週刊プレイボーイ」の連載がもとなので、当然ながら文章も、内容も、まったく堅苦しくないので、げらげら笑いながら最後まで読んでしまうこと請け合いである。タイトルからもわかるように、著者の切り口はユーモア溢れていて、どこまで本気か?と一瞬思うほど、しかしながら読んでいけばそれが必ずしも冗談ではなく、人間についてのある種の知恵、ある種の鋭さを持った洞察であることがわかってくる。それにしても、ナポレオン、タレイラン、フーシェ、なんとも個性的で強烈な面々である。
この視点は…コロンブスの卵! ★★★★☆
フランス革命から王政復古に到る30年余りを「ナポレオン帝政」という…世界史の時間に習いました(笑)
このナポレオンの時代を、ナポレオン、タレイラン、フーシェという三人の人物の「情念」を軸に読み解いてみせた鹿島茂氏のこの本、この視点はコロンブスの卵でした。

ナポレオン、タレイラン、フーシェそれぞれが、それぞれの心の中にあるもの(これを鹿島氏は「情念」と名付けています)の命ずるままに、あるときは協同し、ある時は敵対する様は、ダイナミックな政争劇の趣き。そう、この三人の心理面からこの時代を解剖した本って、ありそうでなかった…から、まずはこの目のつけどころに脱帽です。内容的にも、かなり分かりやすく書かれています。
もっとも、この時代とナポレオンを中心とした多数の登場人物の最低限のプロフィールを押さえておけば、もっと楽しめます。ナポレオンとか、ロベスピエールくらいなら、世界史の授業で習った記憶があっても、カルノーだの、コランクールだのって…普通に日本で暮らしていると馴染みがない(笑)

それとこの手の本って、地図が挿入されているとわかりやすいんだけど、その点ではちょっと不満です。必ず地図帳を用意してから読みましょう…ま、この本を手にする人なら、ある程度の基礎知識がある、という前提なのかもしれないけど…。「ワーテルローの戦い」についての地図も、わかりやすくして欲しかったな~~と思いました。大掴みにはわかるんだけど、戦闘の経過がわかりづらかった…(涙)
でも、本の内容は面白かったので、☆ひとつマイナスの四つです。