新しいライフスタイルとしての英語の付き合い方
★★★★★
ウェブによる英語学習法の安直な紹介本かと思って手に取ったが、
そうでもない。なかなか面白い視点が盛りだくさんだ。
まず、「iPad英語学習法は新しいライフスタイルだ」という主張。
つまり、iPadを使った英語学習とは、単に勉強のためのメディアを
変えるということにとどまらず、英語との付き合い方を変えることなのだーー
という主張だ。
これはなかなか新鮮だ。
明治以来の英語との付き合い方を根本的に変えようや、ということだろう。
21世紀において日本人が英語を必要とする意味合いは、明治期や1900年代
までのそれとは根本的に異なるのであるから、それに対応した英語との
付き合いをしようという提案は、とても正しい。
そしてそのような新しい付き合い方を支えるツールとして、iPadの使い方を
具体的に紹介している。
紹介されているサイトは、いずれも有用だ。
いろいろネットで英語を勉強してきたが、初めて出会ったものも多かった。
しかも無料のものも多い。
そのほか、この本には、「英語がしゃべれるようになって自信がつくのでは
ない。実態はその逆で、自信がついて初めて喋れるのだ」とか、いろいろ、
「おっ、そうだよな」と思えるポイントが示されている。
著者ご本人は滞米生活が長いということなので、本書が主張する「ライフス
タイル」を万人がまねできるものではないだろう。
しかし、21世紀における日本人の英語学習方法に関して、テクノロジーの
発展を踏まえながら意義深い提案をしているという点で、私は本書から多くを
学んだ。
ということで、★★★★★。