だがそれでいいのだろうか? もっと別の道はないのか? 物質ではなく、精神的に満たされる道は? 会社に代表される資本主義以外の道は歩めないものか?
そんな悩みを持ったあなたにぴったりの本と言えるでしょう。この本で紹介されている「出家の道」はどれも日本が世界に誇る伝統仏教教団。新しい道を考えているがオウムみたいなのに引っかかるのも嫌だしという人も、とりあえず安心できるし周りを説得するのも容易だと思われます。
在家(実家が寺だったりしない人)から出家した例もいくつか載っており、参考になります。
僧侶になるための教育機関の連絡先やホームページアドレスも載ってます。発行が新しいので、どれも参考になることでしょう。
ただ、この本は本当に入門の入門。後半がまるまる教団の解説に裂かれており、在家の人が真に知りたいと思っている出家のHowToや、僧侶としての生活の情報がそれほど多くないのが気になります。字も大きい(あくまで中高年向けだからか?)し、薄いし、それでいて高いし……。
だが逆に言えば、抽象的に出家したいけど日本仏教界のことはさっぱり分からない、宗派がいくつあるのかも分からないという人には、ぴったりの入門書とも言えるでしょう。