単純なストーリーを単純に追いかけると、ただ単に命が大切、自然保護が大切というメッセージを間違って受け取りがちだ。しかし一歩離れて眺めてみると、本書は、読む人がそれぞれに、命の捉え方や環境問題への取り組み方、自然保護とはどういうものかについて考えるためのきっかけをぽんと空中に放り投げたという印象を受ける。答えは読者に委ねられているのかもしれない。貼り絵のような鮮やかな色使いの絵が美しい。(み)