臨床家に即したエビデンスの記載が本書の特徴
★★★★★
本診療ガイドラインは,嚥下障害を専門としない一般外来の担当医を対象として整理されたいわゆる嚥下障害診断のための手引書である.
本書は,嚥下機能の評価に重点をおいた内容となっているが,嚥下障害へのアプローチにおいて最も重要な点は嚥下機能の評価に基づく診断である.またこのガイドラインでは的確な診断を導くための評価方法に関する記載についてもエビンデンスに関する文献がかなりのページを割いて紹介されており,この点で本書の特徴がよく出ている.
ただ参考文献に関しては,一般の臨床家が理解しやすい情報源を示すといった考え方で紹介されているので,エビデンスレベルの議論は避けられないかもしれない.