貴重な地図帳の復刻版
★★★★☆
学校教科書として用いられた地図帳復刻セットです。内容は、昭和9年版の国内篇と海外篇が各1冊、昭和25年版、昭和48年版の計4冊に100ページほどの解説書が付きます。戦前の方が珍しいような気がしますが、戦前の地図帳は結構古書で目にします。むしろ昭和25年版の方が私には貴重でした。昭和25年=1950年は朝鮮戦争が勃発する年でもあり、前年には中華人民共和国が成立しています。この地図帳では、大陸がまだ「チョンホワ(中華)民国」名に、朝鮮半島は全土が「ハーヌ(韓)民国」となっているなど東アジアの微妙な情勢を表しています。どの地図帳も現在とは国名や国境、テーマ図などが異なっていて、何時間見ても飽きません。ただ難点を言えばこの価格設定はちょっと高すぎ。それとオリジナルを見た目からするともう少し紙質や印刷など丁寧に復刻してほしかった。また解説書はまったく不要です。読者それぞれが自分で見て感じればよろしい。それらを勘案して★ひとつ減。