古代から近世までを扱い、オオカミのイメージ変遷をたどるのが本書である。基本的には従来のオオカミ研究を引き継いでいるが、丁寧に文献が紹介されており、説得力のある文章になっている。 終章では実際にオオカミを目撃した経験を伝える各地の老人へのインタビューになっている。ニホンオオカミが絶滅する寸前のイメージを伝えており、大変貴重。