昭和ガメラ・シリーズ第2作だが、これのみ大人の鑑賞を大いに考慮した異色作となっている。大映のべテラン特撮マン築地米三郎が同社を離れたことで、前作の監督・湯浅憲明が特撮を担当し『秦・始皇帝』の田中重雄が本篇を監督。本郷功次郎や江並杏子らによるドラマ部分が、秘境探検ものからクールな犯罪映画的な色あいまで提示し、特撮部分もそれに呼応したダークな雰囲気を醸し出している。背中から7つのプリズムを発光させてのウルトラ光線や、舌から冷凍液を噴出するバルゴンの創造も出色。(的田也寸志)