関数概念
★★★★★
トポスに内在する集合論的言語(Mitchel benabou language)を
すっきりと学べるのは本書くらいであろう。関数概念を抽象化した
カテゴリー理論の枠組みで、いかなる公理を要請するとその内部に
集合概念が宿るかを理解したい者は、必ずこれを学ぶべきである。
量子時空構造の解明に伴い、点集合論及び実数体に依拠した多様体
という概念自体が物理学の礎として終焉を迎えつつある現在、新た
な時空描像を描き出す数学の土台はどのような変貌を遂げるべきで
あろうか?
数学基礎論が、その言葉通りの意味で基礎論としての役割を再び果
たす日がおとずれるのはそう遠い未来ではあるまい。
非常にゆっくりとした足取りではあるが・・・