すべての曲がBフラット・マイナーという条件つきなのは前作同様だが、スーン・ローズ・ワグナーとシャリン・フーはひと味違ったテンポとムードを導入した。「Remember」と「Love Can Destroy Everything」の2曲はスローなラヴ・ソングで、シャングリラのヘヴィなメロドラマを思い起こさせる。「The Truth about Johnny」はねじれたビートのポップ。その他の聴きどころとして、アップ・テンポでファンキーな「Let's Rave On」や、ダーティーなリフがアンバランスな印象を与える「Little Animal」(破滅的な展開で意表を突くセックス・ソング)がある。ザ・レヴォネッツが時代を超越したポップをつくることをもくろんでいる以上、SMを扱った「The Love Gang」から、愛の破局と混乱した胸の内を歌ったシングル曲「That Great Love Sound」まで、愛とセックスが主要なテーマとなるのは当然のことだ。本アルバムの総タイムは33分。またしても通常の半分しかない長さになったわけだが、60年代ポップやメロディックなガレージを愛するリスナーなら大満足のアルバムである。(Dominic Wills, Amazon.co.uk)