ひねりの効いた「Come Home Billy Bird」と「My Imaginary Friend」ではそれぞれ、息子のフットボールの試合のために帰宅しようとするビジネスマンと、子ども時代の目に見えない遊び仲間とを歌っていて、どちらにも甘さと痛切さの両方を持たせようとしている。これとは正反対の感情に揺れる「The Wreck Of The Beautiful」「Leaving Today」「Our Mutual Friend」では、メランコリーを一層引きたてる華々しさと乾いたウイットを持って、愛と喪失と裏切りについて思いを巡らせている。粋なスーツに身を包んだマイケル・ケインのような、不吉で圧倒的なオーケストラと不気味なラウンジ・サウンドを響き渡らせる本作は、あらゆる意味から言って最高傑作だ。(Dan Gennoe, Amazon.co.uk)