タイトルどおりの印象です。１７名の実績のある執筆者による紙上講義！！もっとも、「まえがき」にあるように「ごく平均的な大学の新入生にも分かるように」とは言いすぎでしょう。それぞれの執筆者が奉職する有力大学の新入生といえどもきちんと腑に落ちた理解は困難と思われます。（←仕事経験が無いのですから当然です。）とは言え、（もちろん業種や職位にもよりますが）４大卒で社会人３年目くらいの普段あまり経営学、ＭＢＡ、経営戦略といったことを気にしていない（≒関心の無い）方々にはちょうど良い入門書。ベテランにも頭の整理には最適かと感じます。各執筆者がそれぞれの著作で詳細に展開している議論のエッセンスが確かに分かりやすくまとめれられているように思います。個人的には恥ずかしながら、以前読んで多少理解した気になっていた幾人かの執筆者の方々のより本格的な著作を読み返さねばと感じた次第です。いづれ重要なことは、言わば本書は良く出来た”現在の経営学の目次”なので個々の読者の必要に応じてより深く広範な各分野の関連書の読み込みや日々の思索と仕事でのアクションに繋げることであろうと思います。（この点で、最後の「各講師のおすすめ図書ガイド」には、若干の解説・選定理由等が付されているべきかと感じます。）