アフリカの飢餓をとらえた「サヘル」や壮大な「ワーカーズ」プロジェクトだけでも、セバスチャン・サルガドの名を高め、その燦然たる受賞歴を納得するには十分だ。 だが、それだけではない。ブラジル生まれで、エコノミストとしての経験を積んだサルガドは、人類への絶えざる信頼を、カメラを通しても揺らぎや怯みを見せない連帯感を、極限状態を分析する能力を、自分本来の姿――人間を愛する写真家――を断固として主張する猛々しい意欲を、つねに示しつづけている。2色図版63点を収録。

本シリーズについて：「Photofile」シリーズは、世界の偉大な写真家の代表作をまとめ、魅力的な装丁と手ごろな価格でお届けする古典的シリーズ。収集的価値もある美しい本シリーズは、最高水準の仕上がりになっている。各巻には、見事な2色刷りのフルページ復刻写真約60点のほか、批評的な序文と充実した文献目録も収録。このたび再版された「Photofile」シリーズは、優れた写真集に与えられる国際写真センターの第1回年間優秀賞を受賞している。