物理の世界の旅行記
★★★★☆
我々が最初に習う方程式は1+1=2である、という記述から始まる本書は方程式が導出された背景、発見者の現状説明への不満としれを解決しようとする努力、そして複数の人々との論争について解説している。
ピタゴラスの定理、ニュートンの法則、特殊相対性理論、マックスウェルの法則等の馴染みの深いものから、現代の人々の物の見方を変えた特殊相対性理論、ハイゼルベルクの不確定性理論まで科学史をひも解いているような感じである。
著者は方程式は現実を説明するためのものであると同時に人々の物の見方に影響を与えるものであるとし、それらを旅行に擬えている。著者の哲学的かつ描写的な物理という世界の旅行記を一緒に楽しむことができる本である。