内容としては、3次元ユークリッド空間に埋め込まれた2次元曲面の扱いに終始しています(その前に3次元曲線も)。具体的な図で説明がされますので、それが理解の助けとなっています。
初版の出版年は1959年と少し古いので、人によっては記述の古さを感じる方もいるかも知れません。例えば、微分形式による方法は取り上げられていません。地球を平面に投影するための手法(地図の書き方)に一章を割いているのも面白いです。微分幾何学の最初の応用、というわけです。
原書はドイツ語ということですが、微分幾何学を創出した数学者の多くがドイツ人ですので、その意味でも微分幾何学の正統的な内容(王道)という気がします。「相対性理論」という単語が何度も出てきますが、それを学ぶ数学的準備としても意識されています。