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黒船の世紀―ガイアツと日米未来戦記 (文春文庫)

価格: ¥1,028
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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戦争のきっかけ ★★★★★
世界の戦争の原因を見てみるとほぼ90%以上が宗教上の理由によるものです。しかし日本が世界に対して起した「日清」「日露」そして第2次世界大戦は全く宗教に関係ない戦争です。日清戦争や日露戦争に関しては「帝国主義」と「植民地政策」という時代背景があり止むを得ない部分が大いにあったことは理解できます。そして幸運にも日露戦争に勝った日本は世界の一等国の仲間入りを果たしました。そのことでアジアや太平洋における経済的な影響力の均衡を崩す怖れが発生し、日米関係は悪化してゆくのですが、それ以上に日本やアメリカのマスメディアの報道が大きかったと著者は指摘します。当時は日本でも「日米もし戦わば」などの本が流通し、自然と国民世論が戦争を肯定して行ったようです。そして今、隣国「北朝鮮」がミサイル発射実験を行い、非常な緊張状態にあります。テレビでは北朝鮮のミサイル弾道距離やその危険性を連日報じ、いままで「憲法第9条」と叫んでいた世論も迎撃ミサイル装置を至急配備すべきという流れに変わり、新聞の広告欄にはなんと「日朝もし戦わば」といった見出し広告が目に付きました。まさにマスコミが戦争を誘導している事実が見えます。今だからこそ本書を読むことの意味は大きいと思います。
空気の正体 ★★★★★
 1853年,黒船が浦賀に現れる.日本は不平等条約を押し付けられ,同時に,他のアジア諸国は植民地となっていく.その中で明治の日本人は,維新を起こし,富国強兵をスローガンとして掲げ,国家建設に励んだ.経済的に豊かになり,軍艦を持ち,独立を守る,という必然的な国家目標を持った.この”坂の上の雲”に向けて,走り抜けた結果が,ロシア撃退であり,この日,日本は,一つの国家目標を達成したのである.

 そのわずか40年後,日本はこの貯金を見事に食い潰し,敗戦を迎える事になる.何故,こうなってしまったのか.晩年の司馬遼太郎が匙をなげたこの疑問に,猪瀬直樹氏は格闘している.その第一の調査結果が『昭和16年夏の敗戦』である.これを読むと,日本が日米開戦に踏み切ってしまう構造的問題・人的問題に加え,理性的な判断をかき!消してしまう”ある空気”が浮かび上がる.すると次の疑問は,”この空気の正体は何か”に違いありません.『黒船の世紀』では,この空気の醸成されていく過程が,再現されている.

 米西戦争によってフィリピン・グアムを割譲したアメリカに,日露海戦における圧倒的勝利がもたらす,奇妙な緊張感.不平等条約改正とバーターで可決された排日土地法.第一次大戦の総力戦の地獄を経験しなかった日本の幸と不幸.そして,姿を変えながら出版される日米未来戦記.....
無数の事象が,少しずつ"空気”を作り上げる.その様子が,一冊の本になっている.興味を持たれた方,是非どうぞ.

膨大な資料、考察、そして読ませる芸を兼ね備えた傑作 ★★★★★
明治の末期から登å 'ã-、それ以降持続的に書かれ、読まれるã"とになる数多の「æ-¥ç±³æœªæ¥æˆ¦è¨˜ã€ã®åˆ†æžã‚'とおã-、è¿'代æ-¥æœ¬ãŒã¤ã­ã«ã‚¢ãƒ¡ãƒªã‚«ã¨ã„うå¤-圧への意識に基づいているã"とã‚'綿密に考証ã-たå‚'作。

驚かされるのはæ-¥æœ¬ã®ã¿ãªã‚‰ãšã‚¢ãƒ¡ãƒªã‚«ã«ã‚‚同様のジャンルがほぼ同時期に発ç"Ÿã-ているã"とであり、æ-¥ç±³ä¸¡å›½ã®ãã‚Œã‚'æ¯"較ã-つつ、両è€...が表象する「æ-¥æœ¬ã€ã€Œã‚¢ãƒ¡ãƒªã‚«ã€ã¨ã„ったものã‚'抉り出すのだが、芥川龍之介やコナン・ドイルまで検討の対象になるという、あまりにも膨大なæƒ...報量にはただただå'†ç„¶ã¨ã™ã‚‹ã°ã‹ã‚Šã§ã‚る。

è¿'代æ-¥æœ¬ã€æ-¥ç±³é-¢ä¿‚、『æ-°é'å¹'』(初期『æ-°é'å¹'』にはæ-¥ç±³æœªæ¥æˆ¦è¨˜ãŒç™»å 'ã-、話題になっている)、戦時下の大衆æ-‡å­¦ã¨ã„ったあたりに興å'³ãŒã‚る人ならまずé-"違いなく楽ã-める。とにかã!!!圧å€'的な資æ-™ã¨è€ƒå¯Ÿã€ãã-て何よりも夜ã‚'å¾¹ã-て読まされてã-まうような面白さ。ã"れだã'の条件ã‚'å......たã-た批評は中ã€...存在ã-ない。

日本の近代を探索するタイムマシン ★★★★★
 物語はペリー来航から第二次ä¸-界大戦の終了まで、およそ百å¹'の時é-"と空é-"のなかで展é-‹ã•ã‚Œã‚‹ã€‚帯のコãƒ"ーにあるとおり、まさに「『é»'船』から始まる、現代の大叙事詩」である。

 æ-¥éœ²æˆ¦äº‰ã‚'背景に『此の一戦』ã‚'描いたæ°'野広徳、『無知の勇æ°-』ã‚'è'-ã-たアメリカのホーマー・リー。太平æ'‹ã‚'挟ã‚"で同時期にã"のふたりによってæ-¥ç±³æœªæ¥æˆ¦è¨˜ãŒæã‹ã‚Œã€ãã-てふたりとも自国のæ•-戦ã‚'主張ã-た。ã"れまで「æ-¥ç±³æœªæ¥æˆ¦è¨˜ã€ã¯æ-°èžã®æ­'史とæ-‡å­¦ã®æ­'史とのあいだにすっぽりと抜ã'落ちていた。「æ­'史とはいまだ解かれぬ推理小説とã-て『地底』に横たわっている」とは、あとがきに寄せたè'-è€...の言であるが、ã"ã"でもæ-¢å­˜ã®è©•ä¾¡è»¸ã‚„枠組みからはみ出ã-たç' æã«å¯¾ã-て独自のアãƒ-ローチã‚'試み、豊かな成果ã‚'あã'るã"とã!«!!成功ã-ている。

 読み進むうちに読è€...はæ°-づくã"とになる。「戦前は軍国主義、戦後は平å'Œä¸»ç¾©ã¨ã„う背反する価値観ã‚'ç"Ÿãã¦ããŸã®ã§ã¯ãªã‹ã£ãŸã€ã¨ã„うã"とに。軍国主義も平å'Œä¸»ç¾©ã‚‚、å¤-圧によってもたらされたものであるã"とに。『é»'船のä¸-ç'€ã€ã¯ã€21ä¸-ç'€ã‚'迎えたいまもなお極めて今æ-¥çš„で、スãƒ"ード感と臨å '感に溢れ、過去から未来へのタイムマシンにä¹-って時代ã‚'探ç'¢ã™ã‚‹æ¥½ã-さに満ちている。