公営ギャンブルからブラックジャック、ルーレット、宝くじ、TOTOに至るまで、その胴元の儲けのしくみを「期待値、控除率」を用いて紹介する。この期待値とは「ある特定の賭け方に対して理論上戻ってくる割合」であり、控除率とは「賭けられた金額に対するギャンブル主催者の利益率」である。この2つを理解することにより、ギャンブルの裏側や、楽しみ方がわかってくる。つまり、「堅実なギャンブラーになれる」ということである。
各章末のコラムにも注目すべきものがある。身近な事例を確立・統計を用い、ギャンブルにみたてて損か得かを証明するのだ。イチローをいくらで獲得すれば得するか、といった軽いトピックについても、打率などから確率・統計を用いて理論的に説明されており、興味深い。内容を理解するためには高校卒業程度の数学の知識が必要とされるが、それがあれば、十分楽しめるだろう。(松長泰広)