スキーム理論でかかれた、有名な代数幾何の本
★★★☆☆
代数幾何の入門の方法には、おおまかにいって、二通りあると思います。一つは、純代数的アプローチで、もうひとつは、複素多様体を用いた、アプローチです。前者の方法は、数論幾何、双有理幾何を、展開するための、言語を与えてくれます。後者は、通常学んでいる多様体論を、基礎にしたもので、微分幾何、複素幾何、トポロジーと、密接に関係しています(もちろん純代数幾何とも)。どちらも、大切なのですが、この本は、前者の純代数的方法を、スキーム理論を用いて展開しています。とくに、3章のコホモロジー論が、良くかけています。ただ、可換環論を仮定しているので、きちんと読むには、通常、すこし、時間と手間が、かかるようです。また、この本は入門書で、この内容だけで、新しい結果をだすのは難しいようです。引き続く勉強をするための、手引きとしては、良いと、思います。