そこにあるのは、“いい音楽”のみ
★★★★★
貞夫さんの70枚目のアルバム。この方のイマジネーションに限界はあるのでしょうか?
1曲目の爽やかな4ビートから始まり、2曲目の愛らしいワルツ、3曲目のモダンなバップナンバーと続きます。4曲目はメジャーキーの美しいバラードでしっとりと聴かせ、5曲目のマイナーキーのバラードは心に染み入ります。しかし、バラードを2曲続けるとは、何と心憎い配曲!
6曲目はノリのいいブルースナンバー、7曲目は哀愁のブラジリアン・ナンバー(ここではドラムも活躍)、そして8曲目で踊りだしたくなるようなカリプソナンバーを挟んで、9曲目は久しぶりにフルートを手にして、またもサウダージ感溢れるラテンナンバーで泣かせます。
10曲目はサンバリズムから始まり、途中から4ビートで強烈にスウィング。そしてラストは、締めを飾るにふさわしいバラードプレイが堪能できます。
孫ほど年の離れたサイドメンも好調。特にピアノのジェラルド・クレイトンは、ソロもさることながら、バッキングに回ったときの付かず離れずのプレイは大ベテラン顔負けです。
総括。特に奇をてらったことをしていないのに、これだけ音楽が心に届いてくるサダオ節。参りました! そして感謝と尊敬の念を込め「ありがとう」の言葉を捧げたい。