彼女なりの根拠がはっきりしいて読みやすかったです
★★★★☆
著者の言っていることが正しいか、あるいはそれがすべてか、ということになると、私は
わかりません。
けれども、彼女自身「わからない」ことは「わからない」ようなコメントを出していますので、
答えられることは知識を持っていたり調べたりしているのだと思います。
また、「見解が分かれる」というのも、学者において往々にあることなので、反対意見が出て
くるのも予想はつきます。
そういうものに振り回されてはしんどいですから、竹内サンの話にとらわれない気持ちを
持ちながらおおらかに読むには、とても楽しい本だと思います。
サイエンスの世界を覗かせてもらえて、知らないことに気づかせてもらえて、よかったです。
消化不良気味
★★☆☆☆
確かに面白い生物学的エッセイです。「なるほど」という話もあれば、「本当なの?」という話も多々ありました。疑問符のついた内容の一部をPubMedなどで調べてみると、批判の多い論文をそのまま用いていたり、結論の一部や推測部分を引用したりしています。
そのため面白いのだけれど、本当なのか。そうだったらすごいのだけれど、そのまま信じてよいのか。
そんな風に読み進んだため、消化不良気味です。
世の中を生物学的に見ると・・・
★★★★☆
日常のさまざまな問題というか、どうしてそうなんだろうという事のあれこれに遺伝子的というか生物学的なアプローチから解明をしていくサイエンスエッセイです。
例えば、子供のうちは男女とも甘いものが好きだけれど、大きくなると女性は甘いものがすきだけれど男性にあまいものが好きな人が減っていくのはどうしてか? 実は男性ホルモンと女性ホルモンにその原因がある。とか、
腰のくびれた女性のほうが何故モテるのかスタイルがいいとして認識されるのかは出産との関係でセックスアピールに留まらない生物学的なものである。とかそういうのがたくさん出て来ます。またそれだけに留まらず、女系天皇を認めるのではなくて、男系天皇で継いで行かなければならないかをあくまで政治や宗教を抜きにして生物学的な物差しで語るくだりもあります(このときにはまだ紀子さんが悠仁親王を出産していなかった)。このあたりも読み物としてはなかなか面白かったです。
いつものごとく、それは強引だろうというような展開のものもあるし、文化人類学だとか政治学からアプローチする方法もあるだろうという部分もありますが、彼女は生物学者なのでそちらからみるとこう見えるのかというのもそれはそれでとても面白いです。
表紙や中身のデザインがいい感じ
★★★★☆
表紙きれいで思わず手にとったら
今をときめくアートディレクター寄藤文平さんの仕事でした。
よくある雑学本よりも科学や生物のことを色々扱っているので
自分の子供がもう少し大人になったら読ませてみようかなと思います。
ただ性の問題も扱っているからやっぱり大人向けなのでしょうか。
質問形式で読みやすいのと、全体的にとぼけたひねりが効いてるところもいい。
基本に忠実に考えて
★★★★☆
週刊文春連載「 ズバリ、答えましょう」からの単行本化第五弾です。
タイトルの「万世一系」は女系天皇論争を生物学(遺伝学)的観点からの考察をしたもので、「なるほどな。」と一応「男系」にこだわる理由があることを思い起こさせてくれました。
でも、この本は、従来からの、よろずの疑問に生物学的観点からの理由を考察するのが主です。
例えば後半の「サクラの枯れ際」で、一斉に咲き、一斉に散る「ソメイヨシノ」の誕生と、その問題点を解説したり、「やせの大食いのひみつ」で基礎代謝の違いを最近の遺伝子研究の成果を紹介しながら解説されたところがグッド。
どんなものにも理由があるはずです。僕たちが知らずに「タブー」や「倫理」としているものにも生物学的(環境適応的)理由があります。別に知らなくても良いのですが、その理由を知ってみたい人にはお勧めの一冊です。