評価が難しい…
★★★☆☆
うーん…ものすごく、評価がしづらいんですが…。
体裁としては、日本語訳、原文、読み下し文を三者併録した形。収録内容は、五帝時代からいわゆる春秋時代まで。
文庫版で原文を収録してくれているものは貴重なので、その点はすごく評価したい。(原文は句読点を施した以外は白文なのも嬉しい)
なので、その点だけなら満点なのですが、マイナスさせていただいたのは、編集方針がちょっと…と思われたので。
ご存知の通り、史記は紀伝体の本で、「人物」を描き、それを列ねていくことにより歴史を綴っていく、歴史書としては異色の編集をした書物です。なので、1つの出来事もいろいろな人の立場から少しづつ描かれるので、全体がつかみづらい部分がある。
この本では、冒頭に明記してあるのですが、「読みやすさを追求すること」をテーマとしており、そのためにあえて原本のこの方針を崩してきている。
具体的には、出来事をなるべく編年に並べようとしている感じで、1章、2章…と本紀を読んできた後、急に世家が入ってきたりする。ひどいところでは、世家の文章を途中で切って、急に列伝を挿入したりとか。
確かに、起きた「出来事」を把握するためにはこの形の方が良いと思う。「分かりやすい」を標榜しているのも決して看板倒れではない。
ただ…私はこの形式では「史記」を読んだ気がしないのです。
これは「史記」の文章から中国の古代史を読んでいるだけであって、それは司馬遷が表現しようとした「史記」とは別物になってしまっていると思うのです。
なので、とりあえずの入門書としてなら良いかと思いますが、「史記」を読む、ということであればあまりおすすめできない、という感じです。
…でも、最初に書いたとおり原文併記なんですよね…その魅力は捨てがたいので、悩んだあげく間をとっての☆3つです。
読みやすいです。
★★★★★
原文ものっており、かつ、読みやすい文章と解説。
通読するのもまったく困難ではない。
いつでも手元に置いておき、参考にできる大きさでもある。
いい本だと思います。
分かりやすかった。
★★★★★
中国史の代表的な歴史書の「史記」を、
原文付きで細かい解説もついて、
内容が書かれていて、分かりやすかった。
また1巻は司馬遷についてのことや、
神話なども書かれていてとても面白かった。
「史記」の内容をすべて網羅しているわけではなかったが、
買って損することはないと思う。