その厚さから内容の濃さを期待しました・・・
ですが、単に「厚い」だけの本でした(涙)

不満点は、以下三つです。

1)網羅性がない

「サーバー管理に必要な全機能・全知識・全手順を網羅した・・・」と謳いながらＲ２の機能からかなり解説が落ちてます。
・BranchCache
・DirectAccess
なので、機能の関しては、AD/DNS、DHCP、IIS、ファイルサーバーまでの本だと思います。
あとHyper-Vとか・・・

2)ServerCoreの解説が貧弱

ServerCoreの触れ方が基本的なところで終わっていて弱い。
700ページの中で20ページしかないし・・・
ServerCoreってパッケージ入れたら使えるもんじゃないので、必要な情報は、パッケージ入れた後で設定をどういじれるかだと思います。
その辺については触れてません。

3)運用管理は弱過ぎる

「・・・構築・運用・管理パーフェクトガイド」と謳うにしては、運用する時に面倒なことをどうやって回避するかに触れられてません。

例えば、RSAT(リモート サーバー 管理ツール)にもほぼ触れていないので、個々のマシンに逐一ログインして管理するということになってしまいます。
複数のメンバーサーバー立てた時にはそれでは運用・管理が面倒ですが、その対処方法は触れてません。
また、前述のようにGUIを持たないServerCoreの運用をどうするのかも見えてきません。

総括すると、機能を前述のものに限定且つ一台のマシンにインストールしてそのままで管理するなら、まあ使えるかな思います。
複数のメンバーサーバーに各機能をインストールして使うのをシナリオに対しては、この本では管理者がアヘアヘすると思います。

内容に関しては非常に満足していますし助かっています。
Windows2008 R2のガイドはあまり種類が多くないのですが、本書は明確な文章や画面ハードコピーの多用によって非常に解り易くなっています。
翻訳本にあるような冗長な修飾語や不自然な日本語がありません。
本書の特徴は機能が満遍なくバランスよく記載されていることです。
インストール、ActiveDirectory、運用管理、ファイルサーバー、Webサーバー、仮想化技術(Hiper-V)、バックアップ機能構築等の用途よって、知りたいことが全て書かれています。
各技術の詳細については別に技術書を購入するとしても、Win2008R2の管理者にとって本書は手元においておくべき１冊だとおもいます。
難易度については中級向けでシステムに関する基本的な知識が必要です。

レビュー対象商品: 標準テキストWindows Server 2008 R2 構築・運用・管理パーフェクトガイド (大型本)
一般的に英語原著と翻訳和書を比較した際、活字の大きさが両者であまり異ならない場合、ページ数はほぼ同じとなります。
そういうことを鑑みると、和書 (翻訳書ではない) のこういった「完全解説書」は押し並べてページ数が少ないように思います。
Windows Server 2008 R2 についていえば、サムズの「全解」シリーズやワイリーの「バイブル」シリーズは 1,500 ページあります。
「ページ数より内容」という意見があることは重々承知の上ですが、「ワケあって 700 ページを超えました」というのなら、
逆に 700 ページを超えると持ち運ぶのもどうせ難なので、1,500 ページくらいあってほしいです。