光学系を組む際の、最適な実用書
★★★★★
純粋な光学ではなく、光学部品を解説している本はたくさんあると思いますが、
どれも初歩的な内容であったり、よく使われる光学素子しか書いていなかったりで、
使い勝手が良くありませんでした。
そのため、実際に研究で光学系を設計する際には、メーカーのカタログの解説や
ヘクトの「光学」などに頼っていました。
均一照明を知りたくてこの本を購入しましたが、光学系を組む際でのガイドブックとして最適だと思います。
この本は基礎編と部品編に別れています。
基礎編では幾何光学の基礎、設計の基礎が解説されており、
用語に困った際に簡単に引くことができます。
内容は初学者には少し高度だと思いますが、光学に関わる(関わっていく)人には最低限必要となる程度です。
部品編では、まず、レンズ、ミラーなどの標準的な光学素子の
詳しい原理と応用、そしてその派生を解説しています。
次に、フィルターや偏光子などの光学素子についての原理と応用、派生の説明があり、
最後には、能動素子、DOE、MEMSに対しても説明があります。
非常に多くの光学素子を解説する中、そのどれもに対して、
最低限の理論だけでなく、応用を書いてくれている点で、
光学系のガイドブックとしてかなり使える内容です。
今注目のMEMSに限らず、各素子の最近の動向も載っているので、
部品編を読むと、光学設計の幅も広がるでしょう。
購入して元は十分に取れたと感じています。
(悪いところ)
基礎編の文章が(おそらく)句読点の問題で、読みにくかったです。
(一読して「んっ??」となる日本語表現が多かった。後半はそうではないですが)
私のは第一版ですが、この本は良書になりうると思うので、改訂されることを期待しています。