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プラクティス民法 債権総論

価格: ¥3,456
カテゴリ: 単行本
ブランド: 信山社出版
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スバラシイ! ★★★★☆
潮見教授は債権に関する専門家であり、大変学問的にも興味深い教科書に仕上がっています。予備校で触れるものとは全く違い説得力のある説明がなされており、しかも内容はわかりやすいです。ただ、難点は色が一色な点・・・・。多色刷りなら最高なのに
債務不履行一元論の立場から書かれた『教科書』 ★★★★★
 一言で述べれば、本書は、既刊の『債権総論1・2』をロー・スクール、学部向けに書き改めたものである。

 では、その結果として、『債権総論1・2』とどのような違いが生じたのか?
 ――特徴は大別して、以下の2点である。

 第1に、『債権総論1・2』には1つも存在しなかったケースが多用されている。

 但し、ケースと言っても、他の教科書類とは異なって、そのケースの解説・解答が書かれているわけではない。解答は自分で考えよ、というのが筆者のポリシーである。
 この意味で、本書は、周囲に本書を読んでいる複数名の人間が存在することを予定した=議論を予定した「教科書」と言える。ローや学部には良いが、独学用には向かないかもしれない。

 第2に、筆者の自説の主張の部分が少なくなった。と言っても、全く無くなってしまった訳ではなく、現在の学界の多数説・有力説と自説が一致する場合には、ちゃんと主張されている。省略されているのは、筆者を筆頭に唱えられている少数説――潮見先生は債権法の大家なので、事実上の単独少数説もあるが――である。

 しかし、これはロー・スクール、学部向けの教科書としてはむしろ適切であろう。「教科書」とに求められることは、正確な記述と現在の判例・学説――特に通説・多数説――への言及である。とすれば、少数説の記述は控え目でも構わないはずである。

 ただ、裏を返せば、本書は研究の為には向かない。従って、研究目的であれば、『債権総論1・2』を購入すべきである。

 以下、補足。
 ★記述は非常に堅実であり、正確である。ただ、預担貸の客観説の記述は若干特殊である。
 ★他の教科書類のミスリーディングな記述についても指摘されている。

 ★要件事実論や民事訴訟法についても必要な限りで言及されており、ロー・スクールへの配慮が窺われる。

 尚、本書は最近の学界の多数説である、債務不履行一元論の立場から書かれている。つまり、判例や伝統的な学説が採用する債務不履行三分体系ではない。注意されたい。