Rockpalast Live [DVD] [Import]
価格: ¥1,243
フロントマンとしてのヒューイ・ルイスは、いつもバンドの音楽それ自体に語らせる。当然の結果として、ドイツのエッセン市グルガハーレで開催されたこのライヴコンサートは、ほぼ全曲がアルバムどおりのアレンジとなっており、曲の合い間のMCも非常に少ない。音質はせいぜい及第点だが、パフォーマンスはこれぞヒューイ・ルイス&ザ・ニュース。ストレートで、エネルギッシュで、タイトなステージだ。本作のハイライトは猛烈な勢いで演奏される「Workin' for a Livin'」で、ヒューイのハーモニカとクリス・ヘイズのギターが聴きもの。最初のアンコール曲「Buzz, Buzz, Buzz」では、ジョニー・コーラとヒューイの2人がサキソフォンを吹く。2回目のアンコールでは、ヒューイの長いハーモニカ・ソロに続いて、後にアルバム『Fore!』の収録曲となった「Bad Is Bad」のアップ・テンポな初期バージョンが演奏される。
このビデオはドイツのTV番組を元にしている。放送日は1984年10月13日、ちょうどアルバム『Sports』がリリースされた頃だった。ライヴパフォーマンスの全貌をとらえるためには観客席にマイクを立て、オーディエンスの反応を拾う必要がある。残念ながら本作には、その作業が抜け落ちている。さらに、オーディエンスの登場シーンがストック映像のように見えるのも問題だ。ドイツのティーンエイジャーたちが激しく首を振り回し、カメラに向かってポーズを取る姿は、ステージ上のパフォーマンスから切り離されたもののように感じられる。このため、このコンサート・ビデオ全体にやや不自然な印象が残ってしまう。しかし、全体的に見れば素晴らしいパフォーマンスだし、選曲もいい。さまざまな思い出がよみがえってくること間違いなしの作品だ。(David Martins, Amazon.com)