現代の価値観では到底受け入れられないであろう、気に食わないことがあればちゃぶ台をひっくり返す、「俺が法律だ!」的超亭主関白な夫婦の関係といい、沢田マンションを作り上げた「力」とともに、非常に強い「信じる心」を感じました。良いか悪いかは知らないが、沢田マンションという「形」になったのは事実である。
この建築自体も、現代の法律や規則では到底受け入れられないものであろうが(現に、まだ未完成という沢田マンションを増築することは行政から禁止されているという)、現代人の多くが失っていると思われる、意思の力、己を信じる力、自己責任の尊さを思い起こさせてくれる本でありました。
人を信じ、情に厚く、贅沢もせず、ひたすら夢に向かって一直線だったその人生にしびれました!
建設関係のお仕事に携わる人はもちろんのこと、そうでない人も絶対二人の生き方に心が動かされるはずです。
子供のころに読んだどんな偉人伝よりもすごい人生だと思いました。
先日、沢田マンションのホームページをのぞいた際に、旦那さんの方が昨年永眠されたと知りショックを受けましたが、残された奥様、娘さん、お婿さんたちがいる限り、楽しい沢田マンションの歴史は続くことでしょう。ご冥福をお祈りします。