名著の復刊。演習編の復刊も希望
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高校数学のみを前提知識とし、丁寧に書かれた教科書です。微分幾何学の本は多数ありますが、この本はベクトル計算から丁寧に話が進むため、基礎知識を確実に理解しながら、読み進むことができます。微分幾何学の本によっては、形式的なテンソル計算などを速い段階から導入し、テキパキと話を進めるものもありますが、この本のようにジックリと地道な計算をしながら議論を進める本の方が、数学の仕掛けが良くわかると思います。
15年以上前に某大学院にて微分幾何学を専門にしていた時、この本を読もうとしたが、その当時すでに廃本となっており、古書の値段もかなり高く困った思い出があります。
今回、復刊されたことで、今の若い方?は何も悩まずに、この名著を読むことができるので、微分幾何学を専門にしようとする方はぜひ一読を。
なお、この本は本来、別冊の演習編の本と対になっている。そちらの方もぜひ復刊を希望します。