他にも楕円関数の値の超越性、Diophantus近似に関するSchmidtの定理、Mahlerの超越数の分類、指数関数の取る値の超越性など、超越数に関する基本的な事項が一通り議論されています。
予備知識としては対数一次形式の不定方程式への応用までならば複素関数論のCauchyの定理までで十分ですが、その後の内容を理解するには章によっては二次体の整数論、楕円関数に関する知識、数の幾何などが必要です。
超越数に関する基本的な事項を少ないページ数で一通り扱っている名著です。また不定方程式への応用など、数論に興味がある方なら知って損はないでしょう。ただ、改訂版にも関わらず最近の結果については本の最後で簡潔に触れられているだけで、またp進対数一次形式に関する結果を扱っていない、Diophantus近似についてはSchmidtの定理を証明するだけで、その応用には触れていないなど、不足な点もいくらか目立ちました。