日本の文化を守るために
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外国に出てみれば分かることだが、外国人に聞かれるのは必ず自分の国のこと。しかし、多くの日本の若者は何も答えられない。答えたくとも何も知識がないのだから仕方のないことで、もっと日本文化について学校で習っていれば、とつくづく思う。古典に脈々と流れている日本人的価値観、しきたり、道徳感に大して触れることなく大人になった日本人は、日本人というより無国籍人といったほうが適切だろう。塩原氏の言う「国語の底力」こそ、日本人を日本人たらしめるものだと思う。すべての国語の先生および子供を持つ親に読んでほしい一冊である。質のいい先生をそろえることが先かとは思うが、国語の時間は今の3倍程度に増やすべきだろう。また、どうしてそうなのか、本書を読めば、必ず納得がいくはずである。その説得力に脱帽。
目から鱗
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一般に、人の思考は母国語で行われる。よって、幼い頃から語彙を増やす教育をすれば、
その子供は思考力豊かな子に育つ。「国家の品格」などで国語の大切さを考え直していたと
ころなので、この理屈には素直に共感できました。
しかし、
「幼児にとって、語彙を増やすのに最も適した文字は漢字である」
この考えには大いに意表をつかれました。そんな馬鹿な!?と。
故 石井勲氏の長年の実践教育によると、一字で音と意味を併せ持ち、個々の文字が特徴ある形を持つ「漢字」は、
その字が身近なモノに関する字であるほど、実は幼児にとって最も覚えやすい文字なのだと。
「林檎」なども楽勝で覚えるそうです。
この本は、石井勲氏の足跡を辿りながら、石井式漢字教育がどんなものであるかを紹介したものです。
検索してみると、小さな子供を持つ親向けに書かれた書籍も数多く出回っているようです。
我が子が2歳になる前に石井式に出会えたことを、幸運だったと思える日が来ることを期待して、☆5つ。