Azureの概要から開発の初期教育資料に最適
★★★★★
本書は、Microsoft MVP C#を受賞されている日立システムアンドサービスの酒井さん(http://tatsuakisakai.net/)が
執筆されたWindows Azureアプリケーション開発の書籍です。
同氏含む4人で執筆された『Windows Azure入門』に続く、日本語で執筆されたAzure書籍の2冊目となります。
『Windows Azure入門』が出版されてからSDKやサービス名変更が発生し、サンプルコードが
そのまま使用できなくなってしまいました。
本書では最新の状態に反映されており、サンプルコードをそのまま入力し実行することができます。
本書の構成は、前半と後半に分けることができます。
前半が概念(基礎知識)、後半が実践(コーディング)となっています。
まず前半部分では、Windows Azureの概要について、
Windows Azure、Windows Azure Platform AppFabric、SQL Azure
それぞれについて、どういった物で、どういう時に使用するのか、課金のされ方(計算例)が
解説されています。
1章から4章までの60ページほどで解説されており、一気に読めば1時間ほどで読めます。
1時間ほどでAzureの基礎概念を理解できます。
続く後半部分では、実際のコーディングとデプロイについて紹介されています。
まず、.NET Framework開発としてVisual Studio、PHP開発としてEclipseを使用した場合の
Hello Worldレベルの開発、Azureデプロイ方法が紹介されます。
そして、C#でのサンプルアプリケーション開発の説明が行われます。
Queueを使用したサンプル、Blobを使用したサンプル、Tableを使用したサンプル、
Windows Azure Platformを使用したサンプル、そして最後が既存のSQL Serverを使用した
ASP.NETをAzure(SQL Azure)にマイグレーションするサンプルが紹介されています。
以上の豊富な内容によりAzureアプリケーションを初めて開発する際の羅針盤として
最適と言えます。
もちろん、あくまでも入門と唄っているように細かい点などは割愛されており
本格的に取り組む際には、さらに検証は必要となります。
(『Windows Azure入門』にて一部触れられているので、そちらも参照すると良いと
思います)
しかし、本書はWindows Azureアプリケーション開発の為の高速道路と言える
バイブル的書籍です。PJ最初期の開発者教育に使用に堪えうる簡潔で良い書籍でした。