血を吸う箱 DVD-BOX
価格: ¥13,650
山本迪夫監督による恐怖映画シリーズ3作。第一弾「幽霊屋敷の恐怖・血を吸う人形」こそ、林の中の洋館に起きる惨劇の謎に迫るサスペンス的要素が強い作品になっているが、第二弾「呪いの館・血を吸う眼」、第三弾「血を吸う薔薇」は、田中文雄プロデューサーの意向か、岸田森扮する和製ドラキュラが暗躍する、一種のピカレスク・ホラーに仕上がっている。
3作ともコンパクトな上映時間にロウ・バジェットのプログラム・ピクチャーだが、おどろおどろしい雰囲気、イギリスの怪奇映画などからの影響を日本映画に盛り込んだストーリー・設定などで、楽しめる作品となっている。
山本監督の恐怖演出は、ヒッチコック的なビジュアルに音響効果を最大限に生かし、サプライズ感を刺激するという方法論を用いているのが特徴。とりわけ後者は「血を吸う眼」「血を吸う薔薇」における岸田森のエロキューションにも活かされており、そういう意味では昨今のJホラー・ムービーのルーツとも言える存在だ。(斉藤守彦)