進んだ学習、研究のために
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この本は高度なので初学者には向かないでしょう。一度、相対論を学んだ人が読めば大変参考になるでしょう。個人的に気に入っているのは微分形式を使った計量の計算と部分多様体への分解の仕方をextrinsic curvatureを用いて説明しているところです。微分形式を用いると複雑なテンソルの計算が美しくシンプルに遂行できます。ただし、この本では成分表示で計算が実行されているので、初めて微分形式に触れる人は大変かもしれません。また、部分多様体分解は昨今注目を浴びているbrane world を理解するのに必要です。この本はこの分野の研究において参考文献として挙げられることがあります。
付録の部分では、Killing vectorsとConformal transformationへの説明が明快で大変参考になります。kerr metricを理解するために必要なFrobeniusの定理も紹介されています。
特に、Part 1のFundamentalsではおよそ150ページくらいで一般相対論の基本が簡潔にまとめられているので復習に重宝します。問題を一問でも時間をかけて実行すると力が付くと思います。説明も丁寧なのでお勧めです。