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定義集 (ちくま哲学の森)

価格: ¥1,500
カテゴリ: 単行本
ブランド: 筑摩書房
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生きるということ ★★★★★
鶴見俊輔、安野光雅、森毅、井上ひさし、池内紀の五人によって編集されている。とても厚くて重い。
装丁は安野光雅さんで、この一冊の思想の深みを感じさせてくれる見るからに美しい本。
この五人が過去に読んできた膨大な数の本の中から編まれたのだろうと思う。沢山の言葉が幅広く定義されている。
高校生になったばかりの頃に図書館で見つけて、少しずつ大人になっていきながら、新しい経験をする度にこの本を開いてきた。
信頼のおける友達のようだった。
「恋」と引いたのは十五歳。「孤独」と引いたのは十八歳。英語の辞書よりも身近にあった。
あまりの辛さに「狂気」と引いたのはいくつの時だっただろう。
少しずつ、ひとつずつ、その言葉の定義を実感として理解してきたように思う。
それが例えば「絶望」という言葉でも、この本を開くと私が生きて初めて出会う豊かな世界に違いなかった。
体当たりで知ること、学ぶことへの喜びがどこかにあったように思う。
もちろんその瞬間にはそんな風に感じられる余裕はなくてただ必死だったのだけれど。
「希望」と引いては泣きじゃくり、退屈して「屁」と引いてくすくす笑ったりした日もあった。
いつもこの本を傍にして成長してきた。
「男」と「女」を知った。「結婚」と引いて、そこから社会という共同体に初めて目を向けた日もあった。
この一冊が、今も変わらず、生きている、存在していることのあらゆる豊かさと人生の深さを教えてくれる。
それがどんなに曖昧で不確かなものなのかも。
今までもこれからも手放せない大切な本です。
自分の定義集をつくるために読む ★★★★☆
さまざまな出典からの引用でできた「語録集」。菜根譚から虫類図譜(辻まこと)、エピクロスから田辺聖子、とかなり幅広い方面からの「意見」が集められています。自分で考えついた事柄をひき、「先人は既に考えていた」と嘆息したり、まとまらない思いで頁を開き、「こんな考えもある」と揺さぶってもらったり。アランの「定義集」などのような、一人の著者の思考をまとめたものではないので、まとまった考えを学ぶというよりは考えをまとめるための手がかりに使っています。

1990年の出版ですから、2005年の現在では少々古くなって来てはいます。編者に限界がないはずもないので、網羅している範囲も、手に取る人によっては「あれが載ってない」と思うこともあるでしょう。そうは言っても古典の価値はそのままですし、忘れかけた少し前の時代の良い言葉に触れるのも、知らない著者の言葉に触れるのも悪くはありません。あたりまえのことですが出典の著者索引がついていますので、そこから特定の著者のものに幾つか触れてみれば、それまで知らなかった作品の世界に目を向けるきっかけにもなります。手元において必要と思ったら開く。自分の言葉で語るために使う本。

ここ数年来の新しい「名言」を含めての改訂版がでてくれれば、と願うのは贅沢でしょうか。

*口(くち)・・・口は心の門口。口がゆるむと、こころ根が見えすく。 「菜根譚」

あまりいい加減なことは書けなくなります。