コメディカルの立場から…
★★★★☆
整形外科を受診して治らなかった患者さんと向き合う仕事をしている医療従事者です。
「整形外科に行っても、シップと痛み止めをくれるだけで、治してはくれない」
「レントゲンやMRIを見て治らないと言われたが、そんなことより、とにかく楽にして欲しい」
…多くの患者さんたちが繰り返す話です。
そして患者さんたちは、接骨院や鍼灸院、または国家資格での規制がないカイロや整体に行って
しまうのでした。
この本には、そんな患者さんの不満が解消される実践的なヒントがいくつか見られます。
分厚い整形外科の教科書からすると、随分と“薄い”印象ですが、プライマリケアで患者さん側
から求められている内容としては、そこそこカバーされているように思います。
もちろん百パーセントではありませんが、まずは最低限の内容ではないでしょうか。
AKAは修練が必要な手技のため、すぐには使えないかも知れません。
今ある痛みを何とかしてくれる“治せる”整形外科医が増えれば、医療経済学的にも意義がある
かと思われます。
AKAはすばらしい、のでしょうが…
★★☆☆☆
一般内科でも腰痛などの整形外科疾患を診る機会は多く、それをうまくマネジメントできるようになれば、とこの本を購入しました。
が、この本の筆者は『整形外科プライマリケアにAKAは必須。』という確固とした考えがあり、それをもとに患者マネジメントが展開されていきます。
なので、AKAの技術を持たない私のような一般内科医が読んでみても、実際のプライマリケアに生かすことができず、あまり参考になりませんでした。
(『まずはAKAを施行して…』といった記載が多いが、まずAKAを施行することができないという問題がある。)
講習会などでAKAを学んでからこの本を読むと役に立つのだろうな、とは思います。
総論的
★★★☆☆
プライマリケアの立場にたって、日ごろ訴えの多い症状や疾患に重点をおきながら解説している。またそれぞれの疾患についての写真や治療法、テスト方法なども記載されている。
読んだ感じとしては総論的で各疾患についての各論を知りたい方には物足りなさを感じざるを得ないだろう。