身近にお目にかかるアマガエル(危険度3)やムカデ(危険度3)をはじめとして、深く深く自然に入り込むと出くわしかねないナンジャコリャ!(こういう名前の生物はいません)という生物まで、索引を見るとほぼ400種ほど取り上げられています。そして、そのうち250種ほどは巻頭カラー写真でご覧になることができます。図版も多くあります。ですから、危険生物の読本であるだけでなく図鑑としても楽しめると思います。野外に出る前に読んでもいいですし、持参しても良いと思います。版型は 19x13x2(各cm単位)で、そんなに大きくありません。取り上げられている生物1種につき見開き2ページくらいで簡潔にまとめられています。
危険度の大きい季節はいつか?予防法は?実際に出くわしたらその対処法は?被害にあった場合の応急措置は?など各項目ごとに親切に書かれていますし、心肺蘇生法、止血法、嘔吐物の除去の仕方、搬送法など連続写真で説明されています。他の参考文献、関連のホームページの紹介など、至れり尽くせりです。
この本を読み、現地での情報に謙虚に耳を傾けることができれば「毒」に当てられることはまず無いように思います。(編集者へ蛇足的一言:、「野外『毒』本」と洒落ているところで、危険生物(危険度1+)として「人間」も入れてはどうでしょうか?)