「その胸の入れ物を無くしなさいよ!!」
アートフェアのあとも相変わらずメイドを続けている瑞希。
何事もなく日々を過ごしていたと思っていたが、突然怜奈の不満が爆発した。
……どうやら瑞希の胸の詰め物が自分の胸より大きいのが気に食わないらしい。
「私と勝負して私が勝ったら、その偽乳をもっと小さくしなさい!!」
「信が勝ったら私が3日間瑞希のメイドになってあげるわ!!」
かくして怜奈と『勝負』することになった瑞希。
その勝負内容は―――― え、ナンパ!?
年末――。
学園が冬期休暇になると鳳后寮の学生も帰省したり、旅行に行ったりで寮の中は閑散とする。
怜奈や昭江も例外ではなく、一郎と正月を過ごすためにフランスへと出かけて行った。
寮には瑞希と、「年末年始は犯罪も増えるし、瑞希さん一人で寮を任せるのは心配だ」という理由で寮に残った千晴の2人きり。
大掃除をし、新年の飾り付けも終わり、おせち料理を作り…………着々と新年を迎える準備をしていく瑞希と千晴。
ゆっくりのんびり、ときには激しく過ぎていく、22人の年末年始のお話。
「なんだか、体が熱くて、疼いてしかたがないんです、はぁ……」
ある日、お使いから戻った瑞希がキッチンに入ると、昭江の様子がどうもおかしい。
ほんのりと頬を染めながら、うるんだ瞳で瑞希を見つめる。
「ふふ、瑞希さん。やはり可愛いですね……」
そしてそのまま昭江に押し倒されてしまった瑞希。
事が終わり、お互い事故だと割り切ろうとするも、その日以来少しぎこちなくなってしまう……。
果たして2人はもとのメイド師弟コンビに戻れるのか??
長年の夢が叶い、信と婚約した紫月。
しかしそれから数週間たっても結婚の話は進まず、信は相変わらずメイドで、周りには女だらけ。
おまけに最近なんだか忙しそうで会える時間が減っている。
イチャイチャしたい、でもできない。焦った紫月がとった行動とは――!??
「し、しし、しーちゃん!? なにしてるの!?」
「……魔女よ」
果たして紫月の思いは信に届くのか!?
アートフェアの代休と秋休みが重なり、寮内の住人が昭江も含めて
外出&帰省することになった凰后寮で、留守番をすることになった信と幸。
自分で寮に残ると決めたものの、旅行に行ったことのない信は思わず怜奈たちがいる南イタリアへ思いを馳せる。
「南イタリアかぁ、バカンスしているんだろうなぁ」
「先輩! 私たちもバカンスしましょう!!」
その一言で、誰もいない寮での2人だけの甘いバカンスがはじまる――――。