たとえば、本書では2004年4月に標準となったばかりのWeb Services Security仕様に触れているものの、説明やサンプルは標準化される前のIBM、Microsoft、VeriSignの3社による仕様のものだったりする。SAMLのアサーションのサンプルも古い(ドラフト仕様)ものであったり、間違いがあったりする。2箇所で引用しているW3CのWebサービスの定義も古いものである。また、Identityの連合という章のタイトルでありながらLiberty Allianceに触れてないのも片手落ちである。
内容的には良い本だと思うので、是非最新の情報に基づいた間違いの修正や情報追加、用語の統一が行われ再版されることを期待したい。
ちなみに、自分が本書を手にした第一印象は(ハードカバーを除くと)「薄い」というもので、1日で一通り読み終えて一緒に購入した別の本を見て気づいたのは「字が大きい」ということであった。
この内容と量であれば、もう少し安くても良いのではとも思う。