野沢さんの緻密な筆力を考えるとこの作品はどうも消化不良のような気がします。それも作品の一番の骨格となるべきテーマがぶれている感が否めません。それゆえ、いまいち感情移入の度合いが弱くなります。
やはり、私は野沢ドラマの中では「青い鳥」が秀逸だと思います。

野沢尚のミステリーは嫌いじゃない。
この話もストーリーはすごく面白い。
ドラマを見たときも、犯人はコイツか、それともコイツか、
とドキドキしたものです。
それだけに、最後は「え～そんなのあり？」って感じだった。
この脚本集では少しだけその結末に納得できるような描写がありますが、
それでもやっぱり消化不良。

検証するといろいろと穴も多いし。
それだけが残念だったので星４つ。
それなりに楽しめるエンターテインメントではあります。
でも、ドラマを見る前には読まない方がいいです。
（見るつもりがないならいいけど）