ワークショップ向けには最高
★★★★★
EBMシリーズでは常に斬新な本を訳している斉尾氏の最新翻訳である。氏とは、いくつかのワークショップで同席させていただいたが、常に深い洞察力を持たれている点に感心している。本書はオーストラリア他のワークショップ用資料として作られ、自己学習も可能とされている。従来の実践ワークブックと異なるところは、原著論文がそのまま掲載され、さらにそこにカラーマークで批判的吟味のポイントが書き込まれている点であろう。他人の書き込みのある教科書はなんとなく読みやすく、わかりい。そういう雰囲気をうまく取り入れた感じである。問題整理の手法であるPICOというEBM独特のまとめ方があるが、これも個人、集団どちらにも適用できるように配慮が加わった。まったくの基礎知識が無い読者でも、かなり読み込むことができるのではなかろうか。