私は、医療関係者ではないが、足の軽い障害に悩む者である。
必要上、この著者を含む、それなりの数の医療関係者に相談してきた。
その立場から、主にインソールと靴の選択の箇所に関して何点かアドバイスしたい。

1.日本には、インソール製作において、なぜか流派がある。それぞれの流派がそれぞれ一流スポーツ選手のアドバイザーとなり、成果を誇っている。同じ足に対して、まったく正反対の傾きのインソールを作ることまである。
そういう事情もあるので、この著者の見識もひとつの意見として受け止めたほうがいい。よく読めばわかるが、本書でも、インソールに対して触れた箇所は、客観的な記述というより、オピニオン的な記述となっている。

2.上記に関連して、この本の著者は本書の中でドイツ靴や市販の靴に辛らつな批判を加えているが、じつはこの著者自身も本人が考案した市販靴を世に送り出している。

3.レビューを書いた医学関係者にいう。この本をどれだけ読み込んでからレビューを書いただろうか。
少なくとも誤解を招くような手放しの賞賛は慎むべきだ。
一般にあなた方は、内輪に甘すぎる。
あなたがたの意見をうのみにして、戸惑うことになる患者の身にもなってもらいたい。

補足
上記の1.、2.に関連して付け加えると、この本の著者は、別書で、足に良いと一部でいわれているタオルギャザリングなどの運動まで、エビデンスがないことがわかっていながら勧めている。当人は、この件に関する問い合わせに関して「エビデンスがない」ことを率直に認めている。実際の診療の場でもそう語っていた。わかりやすくいえば、口では「ほとんど効果がない」といいながら、本やインタビューでは「効果がある」と勧めている。

これらは客観的事実であるので、これらからわかることは、著者は、旺盛な医学的探究心と同様、とても商売熱心な心の持ち主であるということだ。

この著者の本は他もそうだが、整形外科、特に足の外科初心者にとっては、入門用としてとてもわかりやすくて
良いと思う。

ちょっとくだけた感じのイラストも、足の外科という、整形外科の中でもマイナーな分野を取っ付きやすくして
くれている。

かなり極論かもしれないが、一般整形外科を目指すなら、この本及び同じ著者の外反母趾の本を読めば、足の外科
関係では十分ではないか？

ただ、かなり平易に書かれてはいるものの、実はけっこう専門的な内容なので、一般の方にはお勧めしない。

シューフィッティングに関わる方にオススメの一冊です。
とてもわかりやすい内容で、著者の熱意に感動しました。
足というマイナーな部分に限定しているにもかかわらず、本当は身体の大切な部分としてのメッセージが伝わってきます。
一般の方でも足病医の集大成が体感できるでしょう。
是非、日本の靴屋さんにオススメの一冊です。