日本詩歌の網羅的アンソロジーとして
★★★★☆
よくまとまった詞花集です。古代から現代の作品まで同時に楽しめます。私は俳句も、和歌も、歌謡も大好きです。日曜の午後に、ウッドデッキで日よけと折り畳みベッドを持ち出して、梁塵秘抄、万葉集、蕪村、尾崎放哉まで気の向くままトリップ出来るのは、わたしだけの楽しいひとときです。欲を言えば、教科書や入試問題にでる作家の作品は手厚いですが、ちょっとマイナーな作家の作品は2~3首だったりします。橘曙覧の気に入った和歌がないのは寂しかったです。バランスよく日本の詩歌史を網羅したので仕方なかったのでしょうか。和歌と俳諧を同時に楽しめるアンソロジーとして重宝しています。わたしは,机上版と小型版を両方買ってしまいました!小型版は通勤・寝る前,机上版はくつろぐときに.ところで、最近、未来社から復刊した「日本詞花集」は、内容に若干偏りがありますが、3人の手練れの編者の渾身の選択で満足いく内容です。両者とも,塚本邦雄「君が愛せし・鑑賞古典歌謡」とともに愛読書になりそうです.