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The Turning Point: Science, Society, and the Rising Culture

価格: ¥2,571
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Bantam
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<現代の危機>を読み解く ★★★★★
かつて『ターニング・ポイント』はニューサイエンスの旗手による新潮流の「マニフェスト」として読まれた。それは1980年代初頭の頃だ。大学生の英文テキストとしてもよく使われた。しかし、今こそ原書そして翻訳書によって、多くの人に読まれるべき書物である。「序文」(Preface)と第1章「潮流のターニング」(the turning of the tide)は原文で読まれることをお薦めする。英検2級レベルの英語力があれば十分だ。

この本は、当時すでに予兆が見え始め、将来間違いなく始まる「あらゆる次元にわたる危機」(multidimensional crisis)について書かれた予言の書と言ってもよい。2002年の現在、カプラが予言した危機は現実のものとなった。アメリカ政府は1980年代の初頭に「核兵器製造プログラム20年計画」を開始した。それと同時にペンタゴンは防衛政策(defense policy )を「報復」から「先制攻撃」(the fist strike strategies)へと方向転換している。それから20年を経て、その仕組まれた「プログラム」は現在ブッシュ・共和党・新保守主意義によって完遂されようとしている。石油戦略をめぐるアメリカの帝国主義の覇権は、すでに20年前に周到にプログラム化されていたのだ。

カプラは、現在の危機の根本は「認識の危機」であると言っている。それは現在という時代が直面している真の「実在」を認識するには古い世界観では役に立たないという意味である。

いつの時代も問題の本質とその起源は常に隠蔽されている。それを明るみの中に開示できる「新しい世界観」(the new vision of the reality)を持たない限り、古い世界観を持った時代遅れの国・アメリカの覇権を食い止める方法はないだろう。カプラは20年以も前に我々にそのことを警告したのだ。原文の英語が分かりやすい英文で書かれているのも魅力の一つ。現代の必読書である。