高校で生物を履修せずに,大学の生命系学部に進学した学生を対象にした本。「生命科学」の基礎が全て網羅と帯に書いてありますが,生物学全般を網羅しているわけではありません。生態学や動物行動学の記述が無いのです。それはあくまで大学の生命科学への橋渡しだからで,決して高校で履修しなかった「生物ⅠおよびⅡ」を網羅しているわけではないのです。大学側で「この程度の知識を持って入学して欲しかった」という内容を書いた本なのです。
この本は,文科省の学習指導要領の縛りを受けていないため高校の教科書にありがちな「もう少し書けばかえってわかりやすくなるのに」ということがなく,内容的には高校教科書より深く書いてあるのに,読みやすく,わかりやすいという印象を持ちました。コンパクトでわかりやすいため生物を履修している高校生のサブテキストにもなる本です。